ヘイトフル・エイト

 

感想

過去のクエンティン・タランティーノ監督作品と比較して、会話劇に無駄話が少ないなと感じました。

初期のタランティーノ作品は登場人物達が映画のストーリーと全く関係のない話をするのが、お約束でありトレードマークの様に感じていましたが、今回は少し違うなと思います。

少々寂しいですが、逆に言えばシナリオが良く出来ているとも言えるでしょう。

 

ストーリーは雪山の山小屋に閉じ込められた一癖も二癖もありそうな人達が、いがみ合いながらも外に出る訳もいかないので、様々なやりとりが進められるというものです。

形式としては、タランティーノ映画の中で言えば、『レザボア・ドッグス』に近いのではないでしょうか。

長年監督の作品を観てきた側からすれば、小屋の中に8人も人が居るというだけで「多分この中のほとんど全員が死ぬのだろうな」と直感的に思ったりもしました。

 

本作はこの小屋の中の男女8人の会話劇がメインですが、信用出来そうな人が1人もおらず、誰が正しい事を言い、誰が嘘をついているのか全くもって見当が付きませんでした。

しかし2度目の鑑賞からは、誰が嘘をついているのかよく分かって面白いです。

 

そして案の定血まみれバイオレンスシーンへと展開していくのですが、このシーンに入るタイミングがまた絶妙です。

来るかな、来るかなとヒヤヒヤしながら観ている内は何も起こらず、安心して気を抜いた瞬間に何かが起こるのはもはや彼の作風だと思います。

大惨事が起こっているのに、どうかすれば笑ってしまいそうになるのは何故でしょうか。

そして本作ではサミュエル・L・ジャクソンがいつも以上に怖いです。

想定外のタイミングで何かが起こり、その後間をおかずすぐに次なる悪夢が広がるという独特のリズムとスリルを楽しめました。

タランティーノ節健在で、安心です。感想