オズ はじまりの戦い

 

感想

詳しい内容までは解らなくても、名前だけなら誰もが聞いたことがあるだろう『オズの魔法使い』の物語を題材に、大胆なアレンジと豊富に加えられたエピソードで盛り上げる作品です。

『オズの魔法使い』のお話のなかで、主人公ドロシーとその仲間たちを救い、願いを叶えてくれた、ドロシーと同じ世界のアメリカ・カンザス出身のオズの魔法使いと呼ばれる男性が、魔法の国にやってきたのは何故なのか?

どうやって彼はオズの魔法使いになったのか?

そんな経緯を描く今作は、いわば架空の国、架空の世界を形作る、架空の歴史を描いた作品なのですが、その内容は単なる不思議な世界の物語には収まりません。

主人公は夢と希望の魔法の国には少し異色な、女たらしの軟派者。

そんな彼と魔女たちとのほのかな恋のやり取りや、偶然から生まれる三角関係などは、少し生々しくも思えますが、かえって魔法の世界と現代社会とをつないでくれる架け橋のようで、魔法が使えない世界の私たちからみても感情移入できる良いエピソード構成となっています。

魔法の国らしい映像も非常に美しく、本当に魔法を使っているかのように錯覚してしまうほど引き込まれていきます。

また、音楽も世界観をより盛り上げる音楽がそろっており、目と耳との両方から、魔法がだんだんと馴染んでいくかのようです。

おとぎ話というと、プリンセスなどの女性が主人公に据えられているものが多くありますが、今作は男性が主人公で有り、男性目線でのおとぎ話という意味でも、とても興味深いおすすめの作品です。感想