ザ・マスター

 

感想

「ザ・マスター」は、2013年3月に公開されたアメリカ映画です。

監督は、いまやアメリカを代表する映画監督となったPTAこと、ポール・トーマス・アンダーソン。

もちろん彼が脚本も書いています。

出演陣には、ホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムスと、こちらもアメリカを代表する名優が勢ぞろいです。

この3人に共通する点は、PTAの映画にこれまで(もしくはこの後)何度か出演する、常連組みという点です。

ある意味ストイックなまでの厳しい姿勢で、映画作りに向うPTAと意思の疎通がうまくとれている証拠です。

そんなチームワークの良さがこの映画の随所に垣間見えます。

物語は、第二次戦争後のアメリカで、退役軍人のフレディがこの先どう生きていくべきか迷っているところに、カリスマ宗教家のランカスターと出会い、彼に傾倒してゆき、やがて自分自身もそして周囲も破滅に追いやっていくという、どこかロシア文学の香りがするストーリーです。

こういうカチッとした物語を作るのが、PTAの特長のひとつといえます。

最近の展開の速い映画にはない、ゆっくりと(しっかりと)キャラクターを描き、物語で無理やり引っ張っていくというより、キャラクターが動き出すのをじっと待って、徐々にそれが物語となっていくような、そんな丁寧な映画です。

派手さばかりが目立つ最近の映画に疲れた方には、お勧めです。

何より若くして急逝したフィリップ・シーモア・ホフマンの素晴らしい演技が堪能できます。感想