2015年公開の映画『太陽』は『SRサイタマノラッパー』の入江悠が監督した作品で、謎のウィルスによって人類が激減した世界が舞台。

ノクスと名乗るウィルスに耐性をもった新人類がキュリオと呼ばれる普通の人類を支配しているという設定のSF青春映画です。

キュリオはノクスによって廃村に隔離されており生活のレベルも昭和初期の田舎ぐらい、ノクスは現代よりもはるかに進んだ世界で暮らしています。

キュリオは手術によってノクスになる事が可能ですがそれには厳しい制限が設けられており、一方でキュリオたちの中にもノクスに転換することはアイデンティティの喪失であるとして歓迎されない風潮があります。

物語はあるキュリオの村に10年ぶりの転換手術の希望者が募られたところから始まります。

この退廃的な世界で描かれる若者の葛藤が映画の見どころの中心で、神木隆之介・門脇麦両主演による鬼気迫る演技がおすすめポイントです。

虐げられた環境の中で自分たちの個性を守るのか、それとも個性を捨ててより広い世界へ踏み出していくのか。

キュリオとして生きていくしかない大人とそうした生き方を受け入れられない子供の対立。都市部と田舎の対立。そ

して支配するものとされるものの埋められない溝。

若者をただ希望の塊のように扱う映画が多い中、現代の若者がかかえるどうしようもない閉塞感。

そうした現代の社会問題を等身大の若者の姿を通して訴えかける意識の高い映画でした。

演技がすさまじいので圧倒されてしまい気軽には見られない映画ですが、それだけに人に考えさせるパワーを感じます。

たまにはこんな映画で物思いにふけるのも良いのではないでしょうか。